第二十章  「再逢」





「湖の魔物を倒してほしい」
そういわれて僕はミスリア湖畔に来ている。
話どおり魔法使いが湖の魔物『ミゴー』と戦っていたのだが・・・
魔法使いらしい男:「手強い奴だなぁ・・・、これでも喰らえ!!!!!!!!」
男の手から掌くらいの大きさの炎がミゴーに向けて飛んだ。
しかしその炎はミゴーに届かず途中で消えてしまった。
魔法使いらしい男:「ちっ。ISが・・・。おぃ、そこの兄ちゃん!!!!」
えっ?僕か。男はいきなり僕に話し掛けてきた。
魔法使いらしい男:「本当は俺がコイツをブッタオスはずだが、俺のISが切れちまったらしい。仕方ねぇから、兄ちゃんがコイツを倒してくれよ?俺は後ろで一休み〜っと」
そういうと男は後ろに下がり休み始めた。
トンガリ:「お、おぃ・・・、お前も戦えよ!!!」
男はやる気の無さそうな声で答えた。
魔法使いらしい男:「俺に構ってる暇ねぇんじゃないのか?」
ミゴーの尻尾が僕に向かって飛んでくる。
ちっ、避けられない。体全体に衝撃が走る。僕は数メートル後方にふきとばされた。
トンガリ:「がはっ、イテェ・・・」
畜生、これは本気で行かないと死ぬな。骨折れたかな・・・
トンガリ:「だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
僕は剣を両手で持ちミゴーを思いっきり斬りつけた!
しかしその一撃はミゴーの鱗によって跳ね返される。
くっ、何ていう硬さだ。剣ではダメージが与えられない・・・
ミゴーが僕めがけて突進してくる。
ちっ、体が動かねぇ・・・・・。もぅダメか。
そう思ったとき、目の前に一つの閃光が走った。
ミゴーが凄まじい叫び声と共に湖に沈んでいく。こんなことができるのは・・・
クレスト:「大丈夫ですか?トンガリさん」
やっぱこの人か。何でこんな所にいるんだか・・・
トンガリ:「あ、はい。ミゴー殺しちゃったんですか?」
クレスト:「いえ。気絶させただけです。」
それじゃぁ、また暴れるかもしれないじゃんかよ・・・
クレスト:「大丈夫です。一度倒されると再び姿を表さなくなるはずです。」
後ろの方で休んでいた男が会話に割り込んできた。
魔法使いらしい男:「あんたなかなかやるな・・・。あの魔物を一撃で倒すなんて。まっ。俺のISが切れなきゃ倒せたんだがな」
負け惜しみを・・・。
そんな会話をしている僕たちに街人が話し掛けてきた。
街人:「いやぁ、助かりました。あの魔物には尽く手を焼いていたんですよ。今日は私の家でゆっくりしていって下さい。」
トンガリ:「いえいえ、そんな・・・」
魔法使いらしい男:「おっ、どうも。ありがたく行かせて貰いますね〜」
おぃ、僕が話してたんだぞ・・・、コイツ何かなぁ。
トンガリ:「クレストさんはどうします?・・・クレストさん?」
クレストさんの姿はもうなかった。あの人は何をしにこんな所に来たんだろ?
前言っていた「僕を護る為」なのかなぁ・・・
魔法使いらしい男:「トンガリ、さっさと行こうぜ!」
クレストさんとの会話を聞いていたのか、男は僕をいきなり呼び捨てで呼んだ。非常識だな・・・
トンガリ:「・・・お前の名前は?」
シャウト:「俺はシャウト。天才魔法使いのシャウトだ。まっ、よろしくな!!!」
て、天才・・・?大丈夫かコイツ・・・
変な奴と関わってしまったなぁ。それよりクレストさんは何者なんだろ。
いつも僕を助けて消えていく。何の為に・・・?
いま考えるのよそう。今度会ったら聞けば良いし。
僕達は泊まらせてくれるという街人の家へと向かった・・・



第二十一章へと続く・・・



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