「湖の魔物を倒してほしい」 そういわれて僕はミスリア湖畔に来ている。 話どおり魔法使いが湖の魔物『ミゴー』と戦っていたのだが・・・ 魔法使いらしい男:「手強い奴だなぁ・・・、これでも喰らえ!!!!!!!!」 男の手から掌くらいの大きさの炎がミゴーに向けて飛んだ。 しかしその炎はミゴーに届かず途中で消えてしまった。 魔法使いらしい男:「ちっ。ISが・・・。おぃ、そこの兄ちゃん!!!!」 えっ?僕か。男はいきなり僕に話し掛けてきた。 魔法使いらしい男:「本当は俺がコイツをブッタオスはずだが、俺のISが切れちまったらしい。仕方ねぇから、兄ちゃんがコイツを倒してくれよ?俺は後ろで一休み〜っと」 そういうと男は後ろに下がり休み始めた。 トンガリ:「お、おぃ・・・、お前も戦えよ!!!」 男はやる気の無さそうな声で答えた。 魔法使いらしい男:「俺に構ってる暇ねぇんじゃないのか?」 ミゴーの尻尾が僕に向かって飛んでくる。 ちっ、避けられない。体全体に衝撃が走る。僕は数メートル後方にふきとばされた。 トンガリ:「がはっ、イテェ・・・」 畜生、これは本気で行かないと死ぬな。骨折れたかな・・・ トンガリ:「だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」 僕は剣を両手で持ちミゴーを思いっきり斬りつけた! しかしその一撃はミゴーの鱗によって跳ね返される。 くっ、何ていう硬さだ。剣ではダメージが与えられない・・・ ミゴーが僕めがけて突進してくる。 ちっ、体が動かねぇ・・・・・。もぅダメか。 そう思ったとき、目の前に一つの閃光が走った。 ミゴーが凄まじい叫び声と共に湖に沈んでいく。こんなことができるのは・・・ クレスト:「大丈夫ですか?トンガリさん」 やっぱこの人か。何でこんな所にいるんだか・・・ トンガリ:「あ、はい。ミゴー殺しちゃったんですか?」 クレスト:「いえ。気絶させただけです。」 それじゃぁ、また暴れるかもしれないじゃんかよ・・・ クレスト:「大丈夫です。一度倒されると再び姿を表さなくなるはずです。」 後ろの方で休んでいた男が会話に割り込んできた。 魔法使いらしい男:「あんたなかなかやるな・・・。あの魔物を一撃で倒すなんて。まっ。俺のISが切れなきゃ倒せたんだがな」 負け惜しみを・・・。 そんな会話をしている僕たちに街人が話し掛けてきた。 街人:「いやぁ、助かりました。あの魔物には尽く手を焼いていたんですよ。今日は私の家でゆっくりしていって下さい。」 トンガリ:「いえいえ、そんな・・・」 魔法使いらしい男:「おっ、どうも。ありがたく行かせて貰いますね〜」 おぃ、僕が話してたんだぞ・・・、コイツ何かなぁ。 トンガリ:「クレストさんはどうします?・・・クレストさん?」 クレストさんの姿はもうなかった。あの人は何をしにこんな所に来たんだろ? 前言っていた「僕を護る為」なのかなぁ・・・ 魔法使いらしい男:「トンガリ、さっさと行こうぜ!」 クレストさんとの会話を聞いていたのか、男は僕をいきなり呼び捨てで呼んだ。非常識だな・・・ トンガリ:「・・・お前の名前は?」 シャウト:「俺はシャウト。天才魔法使いのシャウトだ。まっ、よろしくな!!!」 て、天才・・・?大丈夫かコイツ・・・ 変な奴と関わってしまったなぁ。それよりクレストさんは何者なんだろ。 いつも僕を助けて消えていく。何の為に・・・? いま考えるのよそう。今度会ったら聞けば良いし。 僕達は泊まらせてくれるという街人の家へと向かった・・・ 第二十一章へと続く・・・ |