第二十四章  「探索開始」





すぐにノーランディアへ行こうと思っていた。
人探しはまた今度でいいと思っていた。
それを別にやらなくてもいいと思っていた。
人の考えなんかすぐに変わるものだ・・・
シャウト:「おぃ、トンガリ。早くギルロイってぇ奴を探すぞ!!!」
トンガリ:「ま、まぁ仕方ないよな・・・」
悪い噂とは早く広まると良くいう。全くその通りだった。
セルミナの町を出ようとした僕たちにひそひそ話をするオバ様方。
嫌な予感がして聞き耳を立ててみて後悔する。
おば様その1:「最近の冒険者は街の人の頼みも聞いてくれないんですって?」
おば様その2:「そうそう。ダニエルさんが言ってましたよねぇ。自分の家を壊されたあげく頼みも聞いて貰えないなんて・・・」
ダニエル・・・・話から考えるにあの爺さんだ。家を壊したってのは間違いなく僕たちのことだろう。
あの事を見ていた人はいない。恐らく発信源はそのダニエルという老人だ。
(あのジジィ・・・・・)
胸中で毒づきながらも、このままでは冒険者の印象が下がる、プラス僕たちの印象も下がってしまう為、ギルロイのいう人物を探す事にした。
散々、街の人に聞きまわって、その人物がバーミリオンスターという朱色の長槍をもっているという事がわかった。
無論、この程度では彼がどんな人物であるかはわからない。
街内での情報収集は諦めて、街外での情報収集をすることにした。
僕たちが街の外に出ようとしてもオバ様方の世間話は続いていた。
おば様その1:「そのダニエルさんの事件、雇っていた使用人さん一人死んだそうよ」
おば様その2:「あら、3人じゃなかったかしら?どちらにしても酷い冒険者よねぇ」
死んだァァァ!!!!??誰も死んでないって^^;しかも話が・・・
噂というのは早く広まるものだ・・・、そうどんどん事実が変わっていく。
放っておけば放っておくほど、その噂は発展する。
僕は何とかおば様方の噂話を聞き流して早足で出口へと向かった。
後ろでおば様方に抗議しているシャウトに嘆息して・・・



第二十五章へと続く・・・



RETURN