すぐにノーランディアへ行こうと思っていた。 人探しはまた今度でいいと思っていた。 それを別にやらなくてもいいと思っていた。 人の考えなんかすぐに変わるものだ・・・ シャウト:「おぃ、トンガリ。早くギルロイってぇ奴を探すぞ!!!」 トンガリ:「ま、まぁ仕方ないよな・・・」 悪い噂とは早く広まると良くいう。全くその通りだった。 セルミナの町を出ようとした僕たちにひそひそ話をするオバ様方。 嫌な予感がして聞き耳を立ててみて後悔する。 おば様その1:「最近の冒険者は街の人の頼みも聞いてくれないんですって?」 おば様その2:「そうそう。ダニエルさんが言ってましたよねぇ。自分の家を壊されたあげく頼みも聞いて貰えないなんて・・・」 ダニエル・・・・話から考えるにあの爺さんだ。家を壊したってのは間違いなく僕たちのことだろう。 あの事を見ていた人はいない。恐らく発信源はそのダニエルという老人だ。 (あのジジィ・・・・・) 胸中で毒づきながらも、このままでは冒険者の印象が下がる、プラス僕たちの印象も下がってしまう為、ギルロイのいう人物を探す事にした。 散々、街の人に聞きまわって、その人物がバーミリオンスターという朱色の長槍をもっているという事がわかった。 無論、この程度では彼がどんな人物であるかはわからない。 街内での情報収集は諦めて、街外での情報収集をすることにした。 僕たちが街の外に出ようとしてもオバ様方の世間話は続いていた。 おば様その1:「そのダニエルさんの事件、雇っていた使用人さん一人死んだそうよ」 おば様その2:「あら、3人じゃなかったかしら?どちらにしても酷い冒険者よねぇ」 死んだァァァ!!!!??誰も死んでないって^^;しかも話が・・・ 噂というのは早く広まるものだ・・・、そうどんどん事実が変わっていく。 放っておけば放っておくほど、その噂は発展する。 僕は何とかおば様方の噂話を聞き流して早足で出口へと向かった。 後ろでおば様方に抗議しているシャウトに嘆息して・・・ 第二十五章へと続く・・・ |