何処かに吹き飛ばしたシャウトを探しつつ僕は足を進めた。 グリンネル洞窟……だったよな。シャウトはともかく。 夜になってしまうと闇エルフや夜行性の魔物が襲ってくる。 もう日が暮れ始めているので、さっさと終わらせなくてはならない。 いつの間にかグリンネル洞窟の入り口に着いていた。 ちょっと独りで入るのは危険だよな・・・、アイツ何処行ったんだよ! 胸中で文句を言いつつその洞窟へと入る。 洞窟は薄暗かった。もう夜が近づいているせいもあるが洞窟自体もかなり広い。 下手をすれば迷いそうなくらい・・・ ふと視界に何かが止まった。暗闇の中それに近づいてみると人だった。 それも男。壁に凭れ掛かっている。 ・・・シャウト? その男はシャウトだった。こちらに気付いたのか、がばっと起き上がり飛び掛ってきた。 シャウト:「うらぁ!この俺様をふっ飛ばしやがって!!!!」 トンガリ:「はいはい。さっさとギルロイさんを見つけるぞ」 シャウト:「wwww」 彼を軽く流して僕は先へ進んだ。 ブツブツと独り言をしながらシャウトが早足で僕の前を通っていった。 そんなシャウトを見つつ歩きながら考えてみる。 こんな迷宮みたいな洞窟。一人で入るのはかなり危険なんじゃないか? 魔物だって沢山いる。いくらギルロイって人がどんなに強い冒険者でも・・・ 最悪の場合、死んでいるってことも考えなければいけない・・・よな。 ふと何かにぶつかった。シャウトだ。 トンガリ:「おぃ、先行くぞ」 彼は何かに驚いているようだった。ぎこちない口調で僕に言った。 シャウト:「トンガリ、よ〜く前見てみな?」 考え事をしながら、なおかつ、下を向いて歩いていた為に今まで気付かなかった。 ゆっくり顔を上げてみる。叫ぶ。洞窟全体にその声が響いた。 トンガリ:「く、くもぉぉぉぉ!!!!!?」 それは蜘蛛だった。ただの蜘蛛ではない。大きさが普通ではなかった。 僕の数十倍は体長がありそうな大蜘蛛。八本の足がアップで気持ち悪い。 シャウトに呼びかける。 トンガリ:「どうするよ?シャウト」 シャウト:「まぁ、俺たちの邪魔をするんなら倒すしかねぇよなぁ?」 一息置いて僕が答えた。 トンガリ:「んじゃ、シャウト頼むよ」 シャウト:「俺たち親友だよな?」 トンガリ:「いや。僕まだ死にたくないし。」 僕は後方へ下がり彼を見守った・・・ 第二十八章へと続く・・・ |