第二十八章  「大蜘蛛vs人間」





ギルロイがグリンネル洞窟に行ったっきり帰って来ない。
彼の安否を探るため、そこへと向かった僕。
途中、吹っ飛ばしたシャウトと再開し、探索を続けるが・・・
洞窟に入ってから数十分程歩いて、僕たちの足は止まった。
その理由は・・・
シャウト:「うへぇ!」
大蜘蛛の長い足が彼のいたあたりの地面を抉った。
僕はその戦いを見守っていたのだが。
シャウト:「うらぁ、トンガリ!オメェも戦えや!!!今、俺はおば様達との死闘でものスゲェ疲れてんだよ!!!」
トンガリ:「シャウト〜、とりあえず死ぬなよ〜」
適当に声援を送って、その言葉を無視する、がシャウトが怒鳴ってきた。
シャウト:「だぁ〜〜〜!!!俺は魔法使いであるからして、こういう肉弾戦は・・・!」
攻撃を避けながら喋っていた彼に大蜘蛛の一撃がついに捕らえた。
シャウトの声が途中で途絶えて、数メートル後方へ吹っ飛んだ。
僕はそれを見てゆっくりと立ち上がった。彼の飛ばされた方向を見る。
攻撃を直接喰らい失神したのか、ただ単に疲れて寝ているのかはここから見る限り分からなかった。
一見する限り外傷はかすり傷程度のものなので安心した。
振り返り自分の倍以上の背丈のある大蜘蛛を見つめ抜刀する。
さっき休んでいたのもあって体調は万全だ。
大蜘蛛が八本の足を器用に伸ばして攻撃してくる。
僕はそれを大きく跳躍してかわし、跳んだ勢いのまま大蜘蛛に渾身の力で剣を叩きつけた!
しかし逆に反動で弾き返されてしまった。渾身の力で叩きつけたので、その分反作用の力も大きい。
空中でバランスをとりながら地面に着地する。
ただの蜘蛛じゃない・・・。石みたいな硬さだ。剣では歯が立ちそうにない。
剣が効かないとなると・・・魔法。それも今使えないんだから・・・。
打つ手がない・・・?
僕は最初に二人で戦っていればよかったと後悔した。



第二十九章へと続く・・・



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